1日必要となる水分量は?
あくまでも目安になる理由は?
「年齢と体重で計算したんだからこの数字は正しい」
そう思われるかもしれませんが、上記の計算でわかった数字はあくまでも目安です。
その理由は2つあります。
1:生活習慣が違う
これは「年齢の数字40・35・30」に関わることです。
本来であれば、成人は60%~55%の体内水分含有量があるとされています。
例えば極端な例ですが「毎日3食バランスの良い食事をし朝の9時から17時まで働く
人」と、「1日2食の外食で夜勤勤務をしている人」が体内の水分含有量が同じかという
と、もちろんそんなことはありません。
わたしたちは食事からも水分補給をすることができますが、食事の量が少なければその
分摂取量が減ってしまいますよね。
また成長ホルモンと呼ばれる体の調子を整えてくれるホルモンは深夜に分泌されま
すので、夜勤勤務の方は健康面でも不安があり、体内年齢にも差がある可能性が高いの
です。
2:体重の質が違う
これは最後に割る「990.5」に関することです。
「BMI的にみて重い」とされる体重でも、それが筋肉量によるものなのか脂肪によるも
のなのかでも、体内の水分含有量は異なります。
筋肉はその80%が水分でできており、体内の水分含有量を増やしてくれるものです。
しかし脂肪は水分含有量が10%ほどしかなく、体内の水分含有量が少なくなる要因とも
言えるでしょう。
そのため同じ体重でもその質によって、個人差が生まれることになります。
この2つの理由により、上記で計算した数字は「あくまでも目安」ということになるの
です。
1日で失う水分の目安は?
失う水分は全部で3つある
わたしたちが1日の中で失う水分は、大きく分けて3種類あります。
その1日で失う水分量がどのくらいなのか、目安をご紹介しましょう。
1.尿:1~1.5リットル
2.便:0.2リットル
3.汗や不感蒸泄:0.8リットル
「毎日便は出ない」という人もいるでしょうし、おしっこの回数だって個人差がありま
す。
さすがに「365日クーラーをかけて寝るから寝汗なんてかかない」という人はいないで
しょうが、それでも発汗作用の強弱も個人差があることです。
それでも目安として「1日に2リットル~2.5リットル」の水分は失っているんですよ。
失う量と飲む量が違う?
「さっきの計算では2リットルに満たなかった」
という方も多いことでしょう。
「1日に2リットル~2.5リットル失うのに計算が合わない」
と感じるかもしれませんが、それでも大丈夫なんです。
この理由を細かく説明するには腎臓の働きについて語らねばならないのですが…
要点だけ言いますと「繰り越している水分がある」となるでしょう。
例えば今日1リットルの水を飲んだとします。
それが当日に1リットル全て排出しているかというと、そんなことはありません。
腎臓は濾過装置のような役割を果たしているのですが、1度濾過されたからといって
「もういらない水分」となるかというと、実はそんなことはないんです。
本当に「いらない水分」だと判断されるのは、1回につき1%ほどしかありません。
つまり残りの99%は再利用されてまた体内を巡ることになるのです。
また食事などで得た栄養素を体内で分解する時に発生する水分だってあります。
ですので「失う量と飲む量」が違っていても、全く問題はありませんよ。
食事から摂取できる水分量の目安は?
重さで判断できる?
食事から摂取できる水分補給量は、ここまでご紹介してきた数字の中でも1番個人差
が出ることです。
何を食べるのかどのくらい食べるのかでも大きく異なりますので、正に「目安でしか言
えない数字」となります。
中には「1リットルほど摂取できる」という説もありますが、もう少しだけ詳しく計算するのであれば…
・食事の重量(g)×0.6リットル
この式を使ってみましょう。
1回で500gの食事をとったのであれば、0.3リットルの水分補給をしたことになります。
「自分が食べた量の重さなんてわからない」という意見も聞こえてきそうですが、目安
として検討をつける程度には役に立つでしょう。
水分補給で健康な体を手に入れよう
今回は3つの数字の目安をご紹介してきました。
【1日で飲むべき水分補給量の目安は?】
体重×(40or35or30)÷990.5
【1日で失う水分量の目安は?】
尿・汗・不感蒸泄の3つで2リットル~2.5リットル
【食事から摂取できる水分量の目安は?】
食事の重量(g)×0.6リットル
これらは目安でしかありませんが、それでも「個人差があるからわかならい」という
よりは、正しい水分補給をするための大きな助けとなるでしょう。
ぜひ日々の水分補給の際には、今回ご紹介した目安を活用してみてくださいね。